両者の違いは、でんぷんの構成比の違いにある。うるち米には硬さを作る「アミロース」が20%、粘りを作る「アミロペクチン」が80%含まれている。それに対してもち米はその全てが粘りを作る「アミロペクチン」で構成されている。この違いが食感の差を生みだしている。見た目もうるち米には透明感があるが、もち米は白い。
名寄地区・風連地区ともにもち米農家は、うるち米を作らずにもち米に限定して栽培する「もち米生産団地」を形成し、高い評価を得ている。もち米に限定して栽培する理由は、本来、もち米は野生では存在せず、人の手によってうるち米を改良した品種である。もち米は劣性遺伝のため、うるち米の花粉がついただけですぐにうるち米になる。うるち米が混入してしまうと、もち米の特徴である粘りが弱くなり、品質が落ちてしまう。そこで広域にわたってもち米に特化した栽培をすることで、うるち米の混入のない上質なもち米が出来上がる。
やわらかく硬くなりにくいという特徴から、伊勢名物「赤福」などの生菓子をはじめ、市内のお菓子屋さんの原料としても多く使われている名寄のもち米を代表する品種です。名寄で生産されるもち米の約5割が「はくちょうもち」です。
やわらかさが持続することに加え、お米の色が白いことが特徴なのが「きたゆきもち」。寒さに強い品種として知られています。
やわらかさが持続する特徴のほか、粒が大きくたくさん収穫ができる頼もしい品種。粒張りが良いのでおこわにも適しています。名寄産もち米の4割がこの「風の子もち」です。
硬くなりやすいという特徴をもつ「きたふくもち」。硬くなるのが他の品種に比べて早いため、切り餅などの加工食品に適しています。