両者の違いは、でんぷんの構成比の違いにある。うるち米には硬さを作る「アミロース」が20%、粘りを作る「アミロペクチン」が80%含まれている。それに対してもち米はその全てが粘りを作る「アミロペクチン」で構成されている。この違いが食感の差を生みだしている。見た目もうるち米には透明感があるが、もち米は白い。
名寄地区・風連地区ともにもち米農家は、うるち米を作らずにもち米に限定して栽培する「もち米生産団地」を形成し、高い評価を得ている。もち米に限定して栽培する理由は、本来、もち米は野生では存在せず、人の手によってうるち米を改良した品種である。もち米は劣性遺伝のため、うるち米の花粉がついただけですぐにうるち米になる。うるち米が混入してしまうと、もち米の特徴である粘りが弱くなり、品質が落ちてしまう。そこで広域にわたってもち米に特化した栽培をすることで、うるち米の混入のない上質なもち米が出来上がる。
20年以上に渡って北海道のもち米を支えてきた品種。やわらかさが長持ちし、粘りが強く、赤飯、おこわのほか、大福やおはぎなどの和菓子にも適している。炊飯器で炊けるもち米として、一般の家庭でも広く活用されている。
やわらかさと粘りが長持ちする品種で、白度が高く、粒張りが良いのが特徴。もちにするときめ細かく粘りとコシがある。耐冷性、耐倒伏性、収量性に優れ、北海道もち米の安定供給を支えている。
硬化性が高いため、製造工程の時間短縮ができ、切りもち加工やあられなどの米菓に適している。耐冷性が強く、気象条件の厳しい地域でも安定した生産が可能であり、供給が安定化できる。
やわらかさと粘りが長持ちする品種。白度が高く、おこわの食味官能試験ではつやと味の良さが評価されている。産地や産年が違っても品質が安定しており、耐冷性が強いのに加えて、一穂の籾数が多く、不稔や割籾も少ないので収量が期待できる。