名寄の農業は水稲・酪農・野菜の大きく3つに分けられ、それらの割合はおよそ4:2:3、広範囲の作物体系となっています。農業生産額は約80億円ですが、後継者不足もあり、農業の担い手をどう育てていくかが一番の課題となっています。また、農家の所得をいかに安定させていくか、これも問題です。

ところで、なぜもち米が今の作物体系にあるかというと、冷害に強い作物だからです。名寄のもち米生産量は北海道の3分の1を占めており、名寄の農家がもち米を有利に販売できる環境を作り、農業の担い手の皆さんが安心して生活できる体制を目指したいと思っています。もち米の有利販売を進める上では、「安全で安心なもの」を安定的に相手側に供給し、最終的にはお互いの信頼関係を深めていくことが大切です。このような基本姿勢を通じて、伊勢の赤福さんを始め、岡山のきび団子、ロッテの雪見だいふくの皮など、いろいろな食材に名寄のもち米を提供しています。

農業を行う上では、後継者が安心して生活できる体制作りと地域の存在が大切だと思います。同じ仲間が地域にいないと、張り合いもなければ、生きる望みもなく、豊かさもなくなってしまいます。地域を活性化し、その地域をどのように守っていくか、また歴史の長い農村文化を後継者にどう伝えていくか。北海道の農業は一年一作ですから、それほど儲かりません。その中で何を求めるか、心のゆとりや人間としての生き方、また安全で安心な農産物をどのように消費者に提供して喜んでいただくかなど、農業にはいろいろな付加価値を高めることが大切だと思います。地域と自然を大切にするのが農業です。

40年以上前に、名寄にもち生産組合ができました。その時に一つ決めたことは、うるちの混入しないもち米を作ろうということでした。うるちのないもち米ですので、業界は大変喜んでくれました。「うるちの混ざっていない名寄産もち米」。これがキャッチフレーズとなりました。もち米作りで一番苦労したのは野良生え、つまり田んぼに残っていた種子から翌年にうるちが生えてくることでした。また、新しいうちに品種改良すると、違う品種の米になってしまいます。うるちの突然変異でできたのがもち米なので、交配すると元に戻ってしまいます。田んぼに入ってうるちを採って歩く「抜き穂」も大変な作業でした。ヨードチンキをうるちに塗るとデンプンが黒く着色するのですが、もち米ではそのようにはなりません。昔はコンバインもなかったし、すべてが手作業です。八十八の手間がかかるというように、本当にもち米作りは大変でした。

これからの農業で皆さんに考えてほしいことは、安全で安心な農産物を作るということです。このことは日本の食生活でとても大切なことです。TPPに参加して、外国から農産物を安く輸入したとしても、安全基準が全然違います。農産物の安全性について、よく考えてほしいと思います。日本は治安もいい、水も豊富だし、安全な食べ物もたくさんあります。昔から農業が国の基本となっています。食べ物を大事にするという思いで、農業に取り組んでいます。これからも安全で安心な農産物を作り続け、地域を守っていきたいと思います。

名寄市食のモデル地域実行協議会
(名寄市経済部農務課農政係)

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